イグサの栽培は、丸二年にもわたって行われます。
いまだに手作業も多く、管理も難しく、米作りの4倍もの手間がかかるといわれています。
小松畳表の栽培は、10月から始まります。
一年間畑で育てた苗を「株分け」する。
約十数本ずつ、人の手によって分けられる。
その際、一株に新芽が3・4本入るようにする。
田に植え付ける。
大部分が、手作業による田植えを行なっている。
平成13年度より一部で機械植え導入
一部の苗は、畑に植え付けて、来年に備える。
<ポイント> 今年、田んぼに植え付けされる苗は、昨年一年間 畑で大事に育てられたものです。
つまり、イグサができるまでには、畑で苗の状態で一年間、田んぼに植え付けられてから一年間、合わせて丸二年間かかることになります。
根腐れ・雪腐れを防ぐために、排水路を徹底的に整備する。
雪の下で春を待つ。
<ポイント>
雪の下で育つイグサは、小松畳表だけ。 それだけに、排水路の徹底には力をいれます。
長いイグサになる新芽の成長を促進させるために、 45cm~50cmの高さに切りそろえる。
<ポイント>
5月下旬から6月上旬にかけての新芽が、 一番表に使用される長いイグサになります。
網掛け
どんどん背が伸び、長くなったイグサが倒れないように、 田んぼ一面に網をかけ、生育に応じて網掛けの高さをあげていく。
<ポイント>
イグサの栽培に最も留意する点は、水管理。 根が健全なら、茎も元気に育ち、先枯れも少なくなります。
有機質肥料(魚粕・油粕・米ぬか・しきしま肥料)と 低度化成肥料(固形肥料)を使い、一度に多く施肥せず、 分肥する。
<ポイント>
高度化成肥料を使うと、畳表にすると、黒スジが出やすくなるので、低度化成肥料を使用します。
また、少しずつ分肥することによって、粒ぞろいの良い充実したイグサができあがります。
刈取り
充分に成長したイグサを刈り取る。
<ポイント>
温暖な土地では、「早刈り」といって、6月中旬から収穫に入ります。
小松畳表のイグサは、その「早刈り」をせず、充実した硬いイグサになった状態を収穫します。
泥染め
天然の泥と水を混ぜ、泥水を作りその中で刈り取ったイ草を入れます。
泥染めを行うと、感想が均一に早く行えます。
また泥染めを行うと、イ草に含まれるバニリンという成分が増え甘い香りが増します。
乾燥
刈り取りと同時に泥染め・乾燥まで一気に仕上げる。 乾燥が終わったイグサは、倉庫に保管される。
<ポイント>
収穫が終わった田んぼで、イグサの連作はしません。
イグサは連作を嫌う作物だからです。
稲作後に稲ワラを全量すき込み、土つくりに力をいれます。
そうやって、新しく仕上げた田んぼで栽培すると、生育が良好になります。
製織
10月ごろか3月にかけての冬期間に倉庫から出し 選別機にかけ長さ別に分け加湿機にかけ自動織機で「小松畳表」を織り上げる。(織機で織る前にイグサに水を吸わせ柔らかくしないと折れてしまう)
ここまでがイグサ農家の手で行なう。つまり、イグサの栽培から製織の加工まで行ない、さらに販売まで行なう 今よく言われる 6次産業その物です。